2021年3月26日金曜日

神野にいた次郎ちゃん

 2020年8月6日

「神野にいた次郎ちゃん」
今年は少し長めの夏休みをいただくことができました。
そこで自由研究というか、読書感想文というか、成果
を公表します。
今回読んだのは下村湖人の「次郎物語」。これまでも
何回となく読みましたが、スピーチ原稿を書くために
教訓めいたことを探す、といった少し不純な動機で読
んでいました。だから3巻の「白鳥芦花に入る」まで
はしっかり覚えていますが、その後はとても怪しいの
です。今年は初心に帰り、最後までしっかり読むこと
にしました。
今回、改めて感じたことは、「次郎物語は千代田」の
作品という思い込みから、特に2、3、4巻は佐賀市
が舞台であることを再認識した次第です。ただ作品中、
実在する地名の直接的な記述はありません。たとえば
3巻の「天神の社」というのはきっと「牛嶋天満宮」
のことなんだろうなぁ、と想像しながら読むしかない
のです。
ところがこの作品中、一か所だけ「実名」が出てくる
のです。「栴檀(せんだん)橋」それは次郎(本田家)
の3番目の家の近くにある橋です。あれ、この名前、
どっかにあったよね、そう思いながら散歩をしました。
で、とうとう見つけたのです。
そうです。神野公園東の交差点の多布施川の橋で、北
隣にある壊れそうな橋がそれです。次郎ちゃんは実は
神野の住民で(実際に住んでいたのは湖人の仲の良い
友人か親類で、それに自分を置き替えたのでしょうが)、
多布施川沿いに西高まで歩いて通っていたのです。
まさか近所にいたなんて、ホント、びっくりでした。
なんだ、今頃気づいたのかと言われそうですが、本当
に今頃気づいたので、書いてみました。ちなみに湖人
は山口亮一と親交があったそうなので、あの旧宅周辺
が朝倉先生の自宅とすると、位置的にも合致するなぁ、
などと想像し、いろいろ楽しくなりました。



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